摩擦接合のメリット・デメリット
摩擦接合のメリット
- 接合強度が高い
- 加工時間が短い(およそ0.2〜30秒)
- 材料の削減が可能(内径を削ったり切り込みを入れたりする必要が無い)
- 工程が少なく済む(母材を切断したらすぐに加工が可能)
- コスト削減が可能
摩擦接合のデメリット
- 素材の一方は丸棒・パイプなど円形断面に制限される
(治具等により対応可能な形状もある) - きわめて薄肉のパイプは接合困難である
一般にパイプ外径Dに対して肉厚TにおいてT/Dが4%以上では溶接が可能 - 圧接時の回転トルクに耐えるチャッキングができないものは適用できない
ただし、チャッキング部分の設計変更により適用できることも多い - 衝撃強さが劣る
圧接条件の変更により改善できる場合もある - 摩擦圧接に耐えられる母材かどうかによって接合できない場合がある(母材の硬さ・厚さ・形状による)
⇒加工可能なサイズ、形状、組合せはこちら
他の技術との比較
代表的な接合方法 | 摩擦圧接 | アーク溶接 | ろう付け |
経済性 | ◎ | ✕ | ✕ |
品質 (溶接欠陥、ひずみ、強度) |
◯ | △ 溶接欠陥の発生 |
△ ひずみの発生 |
異種金属の接合 | ◎ | ✕ | ✕ |
形状 | △ | ◎ | ◎ |
小ロット | ✕ | ◎ | ◎ |
量産 | ◎ | △ | △ |
環境への影響 | ◎ | △ | △ |
摩擦圧接接合は、対応できる形状が丸棒やパイプなど円形断面のものに制限されるが(治具等により対応可能な形状もある)、対応可能な形状であれば、重量、コスト、接合部強度、異種金属接合など多くの点において優位であることがわかる。
また、材料を接合することで資源の有効活用ができ、溶接のように、スパッタや粉じんがなく、電力の消費も少ないため環境にやさしい。